テレビ局は五輪中止を織り込み済み 通常番組で穴埋め準備
中止はCM営業にはマイナスだが、最近はオリンピックは必ずしも売れ筋コンテンツではなくなってきているという。
「陸上、競泳、体操といった人気競技でも、日本の選手やチームがメダルがらみにならないと、スポットCMは集まらなくなっています。準決勝になってようやく埋まるという状態ですよ。ましてや、今回はしらけムードですから、大会前にCM枠が埋まるのは、開会式、女子マラソン、池江璃花子さんの出場種目、陸上男子400メートルリレーぐらいでしょう」(広告代理店オリンピック担当)
■ロンドン、リオでは民放全体では赤字
直近のロンドン、リオデジャネイロの2大会は、放送権料の高騰とCM営業の不振で、民放全体では赤字に転落した。東京大会の放送権料はさらに高く、「どんなに広告を取ってきても、元が取れないと初めから覚悟している」(前出の編成局幹部)。それでも、視聴率が付いてくるならいいが、それも大して期待できないようだ。
「オリンピック好きは中高年が多いですから、世帯視聴率はそこそこの数字を稼ぐでしょうが、若者層の関心が反映する個人視聴率は超低迷ということが予想されます。スポンサーによっては、オリンピックではなく、若者受けするドラマやバラエティーをやってくれと言ってくるかもしれませんね」(前出のテレビ雑誌デスク)
テレビにとっても、東京オリンピック・パラリンピックはうまみの少ないオワコンというわけだ。
(コラムニスト・海原かみな)