ローカルな往年のプロ野球選手と花の銀座の人気ママの取り合わせの妙
野口修と山口洋子が出会った1968年、野口に妻子がいたように、洋子にも恋人がいた。プロ野球選手だったという。おそらく「姫」に客として現れ、恋に落ちたのだろう。洋子は後年、次のように明かしている。
《男はプロ野球選手で、大学時代に四割の記録を持つスラッガーだ。結婚の話もあったが、堺の旧家の一人息子のぼんぼんと一緒になれるはずはないと、どこかで漠然と諦めが先の恋だった》(「ザ・ラスト・ワルツ『姫』という酒場」山口洋子著/文春文庫)
無粋で野暮は承知の上で、これが誰なのか特定を試みたいと思う。《堺の旧家の一人息子のぼんぼん》で《大学時代に四割を打ったスラッガー》とある。セ・リーグかパ・リーグかわからない。