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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

デジタルの“配信ドラマ”は「奥行きの無い塗り絵」でしかない

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 もう、我慢ならない。これだけ世界中にネット動画配信サービスがはびこってしまうと、地方の小さな映画館どころか、“映画”自体が消えてしまうのではないかと案じている。世界の映画人たちは“映画”の未来をどう考えてるんだろう。

 Netflixは世界で数億人の会員を抱えるまでになって「“劇場用映画”と“配信ドラマ”は意味が違うんだ!」と言っていたあのスピルバーグさえ、自分の製作会社の生き残りのためにネットと契約し、“映画モドキ”の動画を作り出すようだ。本の宅配業から大きくなって今や何でも屋のアマゾンのプライムビデオも「007」の映画会社MGMを9000億円かで買収して旧作を流すようだ。アメリカの通信大手AT&T(日本のNTTみたいな)の傘下にいるワーナーも動画配信を始める……と、書き並べるだけで目まいがしてくるが、アメリカの大手映画がこぞって配信業者に身を売って、動画コンテンツというやつをテレビやパソコン、パッド、さらにスマホにと、電波が届くなら何にでも送って見せる業態ばかりになってしまうと、映画の感動などどうでもいいと思われてしまいそうだ。

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