12月8日は国家が国民を煽った日 若者は知らないままだが…
「大本営発表、帝国陸海軍は本8日未明、西太平洋においてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり」と朝のラジオニュースが「……に入れり」なんて、いかめしい文語体で報じて、中国だけでなく新しい戦争に手をつけてしまったのが80年前の8日だった。今渋谷で遊ぶ若者に“それは何という戦争?”とクイズを出しても何人が答えるだろうか。10年前だか、渋谷のアホっぽい若いカップルがテレビカメラに「それって韓国と戦ったやつだろ」と言い返していた。この国は義務教育で何を教えてきたのか、今でも目まいがしそうな話だが。
1932年、日本は領土拡大を狙って、大恐慌と凶作と社会不安を打開するために「満州国」というフィクションの傀儡国をつくって中国東北部を侵略し、一方、ナチスドイツも失業者何百万人の不満を武器に、金持ちのユダヤ人をねたむ大衆の劣等感を煽り、独裁に走った。ヒトラーは国民に、「国が生き残るのに必要なのは正義で、正義に必要なのは力で、力の源は国民一人一人の強さだ」と訳の分からない演説をして欺いた。39年にはポーランドを占領し、英国、フランスと開戦する。欧州支配を企んだのだ。