コロナ禍で仕事が激減「暇だからといって落語の稽古はしません」
皆さん、政府の補助金をもらっていたのだろうか。
「もちろん持続化給付金など、もらえるものは全部頂きました。申請の書類を書くのが仕事だった時期があります。芸人が一番苦手な作業ですわ」
暇を持て余したのではなかろうか。
「僕は以前から、集中的に仕事をして、その後は長期休暇を取って海外旅行に行くのが好きで、インドネシアなどで過ごしてました。それができなくなったのがつらいですね。暇だからといって、落語の稽古はしません(笑い)」
染雀こと本名・東精一は、1967年、大阪府八尾市に生まれた。
「勝新太郎の主演映画、『悪名』で、ガラの悪い河内弁が有名になりましたが、うちの家族はそんなことありませんでした」
確かに染雀は、こてこての大阪弁ではなく、標準語に近いソフトな語り口である。
「本を読むことが好きな子供でして、高校時代に読んだ本の中に『桂米朝全集』があって、上方落語の面白さにハマりました。それまではラジオから流れてくる寄席中継で聴くくらいでしたが、生の落語を聴きたくなりまして。初めて行ったのが島之内寄席でした」 (つづく)