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三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。

河瀬直美さんの在野精神はどこへ…アーティストは未来の評価を気にかけるべきだ

公開日: 更新日:

 彼らへの評価はいずれも、心まで権力に売り渡さず、批判精神を持ち続け、メッセージのある作品を残したことによる。槙原敬之さんの「世界に一つだけの花」も、性的マイノリティーの人たちも含めて、すべての人が互いの個性を尊重しようというメッセージソングだ。

 河瀬さんが批判精神を忘れたと言うつもりはないが、反対の声も多かった五輪招致をみんなが「喜んだ」と言い、2025年の関西万博のプロデューサーにも就任したことを知ると、体制にべったりのように見えてしまう。

 私も“お上”の仕事を請け負うことはある。腰抜けと言われても仕方ないが、それでも体制への批判精神を忘れることはない。アーティストが体制から恩恵を受けていたら、やがて創作の自由は奪われる。結局は表現者としての未来を歪めてしまうことになるのだ。

 権力に同調してプロパガンダに手を貸すことだけは、したくない。

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