河瀬直美さんの在野精神はどこへ…アーティストは未来の評価を気にかけるべきだ
彼らへの評価はいずれも、心まで権力に売り渡さず、批判精神を持ち続け、メッセージのある作品を残したことによる。槙原敬之さんの「世界に一つだけの花」も、性的マイノリティーの人たちも含めて、すべての人が互いの個性を尊重しようというメッセージソングだ。
河瀬さんが批判精神を忘れたと言うつもりはないが、反対の声も多かった五輪招致をみんなが「喜んだ」と言い、2025年の関西万博のプロデューサーにも就任したことを知ると、体制にべったりのように見えてしまう。
私も“お上”の仕事を請け負うことはある。腰抜けと言われても仕方ないが、それでも体制への批判精神を忘れることはない。アーティストが体制から恩恵を受けていたら、やがて創作の自由は奪われる。結局は表現者としての未来を歪めてしまうことになるのだ。
権力に同調してプロパガンダに手を貸すことだけは、したくない。