著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「夢グループ」が芸能界を明るくしている!往年の歌手たちに歌える場を与えた功績は大きい

公開日: 更新日:

 昨年4月にスタートした「週刊さんまとマツコ」(TBS系)。苦戦が続き、この4月からは日曜午後1時30分と時間帯を変更。22日は「夢グループビヨンド」とし、夢グループを特集した。

 実は昨年9月にも特集しており、その際に石田重廣社長が登場。社長とさんまが同じ7月1日生まれのB型という因縁や、育毛剤、痩せるクリームから始めた通販事業の話、所属タレント1号は狩人だったという話など年商151億9000万円の夢グループの全貌が明らかになった。

福島出身の石田重廣の手腕

 面白かったのは第1号所属タレントの狩人の売り方。「あずさ2号」などのヒット後は鳴かず飛ばず。当時、年間2本だった仕事が石田社長のマネジメントで120本に増えたとか。売り方がまた独特で芸能関係にコネもつてもない石田社長が通販のノウハウを生かし、全国の自治体や5000カ所のホテルにカタログを送付した。そこには1ステージ60分80万円、2ステージ120分160万円……。だが、160万円に×をつけて消し、赤字で100万円と。2ステージの方がお得じゃないか、となるらしい。

 その手腕を見込んだチェリッシュや小林旭から所属タレント志願の電話がかかってきた。CMで「社長~」と甘えたような口調の女性との愛人疑惑も否定。彼女が三木たかしの秘蔵っ子で歌手の保科有里であることもわかった。

 で、今回。再び社長と保科が登場。所属タレントが増殖し続け、経営圧迫、経営破綻の危機! とか。夢コンサートの模様をVTRで流したが、尾藤イサオ「あしたのジョー」、あべ静江「コーヒーショップで」、葛城ユキ「ボヘミアン」と、出てくるのが昭和のスターたちで、マツコも大興奮。

細川たかしと長山洋子の移動距離は1591キロ

 1本のコンサートでギャラの予算は500万円以内だが、運営費はかさむ上にコロナ禍、ギャラを支払えないほど困窮していると社長。

 そこで70歳以下の男性歌手は付き添いのマネジャーもメークもなし(女性はOK)というルールを課し、過酷なスケジュールで、ほぼ毎日1日2公演当たり前、日本のどこかで夢コンサートが行われている状態に。

 その過酷さは細川たかし&長山洋子コンサートを例にとると6時30分に羽田空港に集合、ワゴン車で女満別空港から北見市民会館、終了後は紋別市民会館、さらに翌日に備え留萌市文化センターまで移動。2日間の移動距離は約1591キロ!

 とはいえ、往年のヒット歌手たちに歌える場を与えた功績は大きい。29日は後編も放送するので要チェックだ。

 石田社長様々。福島出身、ほんのり福島なまりがあるのもご愛嬌。逆に人柄のよさが際立つ。「ジャパネットたかた」の先代社長がテレビから遠ざかって、令和は石田社長。夢グループが芸能界と日本を明るくしている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  3. 3

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  4. 4

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

  5. 5

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    フジテレビは中居正広で“緊急事態”に…清野菜名“月9”初主演作はNHKのノンフィクション番組が「渡りに船」になりそう

  3. 8

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 9

    若林志穂vs長渕剛の対立で最も目についたのは「意味不明」「わからない」という感想だった

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース