市川海老蔵「團十郎襲名」披露興行発表も…いまひとつ盛り上がりに欠けるワケ
松竹はコロナ禍で延期になっていた11代目市川海老蔵(44)の13代目市川團十郎白猿の襲名披露興行を11月と12月に歌舞伎座で開くと発表した。令和の團十郎誕生は歌舞伎界のビッグイベントである。
「海老蔵の父、12代目團十郎が亡くなって実に9年9カ月ぶりに歌舞伎界の大名跡が復活を遂げるのです。元禄期の初代から代々受け継がれてきた成田屋の勇猛にして豪快な荒事、にらみがこうしてまた継承されていく。迫力や稽古不足を指摘されているのは知っていますが、本人も『父や祖父にはまだまだ及ばぬ』としたうえで『重責を改めて痛感しております』とし、生まれ変わるような気持ちで精進すると気を引き締めていますよ」と、関係者は言う。
当初3カ月の興行が2カ月に短縮となったのは時節柄仕方ないとはいえ、いまひとつ盛り上がりに欠けるのには、「本当に彼がふさわしいのかどうか」という議論があるからだろう。女遊びも芸の肥やしとされる世界ではあるが、歌舞伎以外での好ましからざる報道が相次いでいるからだ。
「海老蔵の亡き妻、小林麻央さんの姉の麻耶さんの度重なる告発によって、良き夫のイメージは大いに揺らぎました。そもそもなぜ、麻耶さんはあそこまで執拗に攻撃し、裏の顔を世間に知らしめようとしたのか。また、いまは独身とはいえ、インスタやTikTokなどのDM機能を使った、いわゆるSNSナンパを繰り返し、複数の女性と密会し札束を手渡したことまで報じられた。頻繁に更新するブログでは子どもたちを愛する父親のように振る舞っていましたが、それだけじゃない素行が明るみに出たことにガッカリしたファンは多かったはずです」(女性誌デスク)
「海老蔵しかいない」というのも事実
麻耶さんの告発は今のところ沈静化しているが、襲名発表を受けて再開される可能性もなくはない。どうこうしても芸事以外の話題が先行するスキャンダラスなイメージは短期間で払拭できるものではない。ベテラン芸能記者の青山佳裕氏はこう言う。
「團十郎の名跡にふさわしいかどうか、疑問に思っているのは梨園関係者も同じ思いではないでしょうか。ただ、海老蔵さんしかいないというのも事実で、素行不良には目をつぶって襲名興行が決定したところがあると聞いています。芸はまだまだでも、人気も観客動員力もある彼の存在は捨てがたいというのです。歌舞伎ファンの間では、初代の頃から成田屋のにらみを目の当たりにすると、その年は無病息災に過ごせるという言い伝えがあります。かつて元旦から、海老蔵さんを車で張り込んでいたところ、やって来た彼に怪しまれて、にらまれてしまったことがありました。これは縁起が良いとカメラマンとともに喜んだところ、なんと翌週に2人とも大風邪をひいて仕事を休むはめに。まだ神通力には至らなかったのかもしれませんね」
團十郎襲名で問われているのは人間性だろう。