73歳で逝った佐川一政さんから届いた「佐川君からの年賀状」には「助けてください!」と
「パリ人肉事件」で世界を震撼させた佐川一政さんが先月24日、都内の病院で亡くなった。73歳だった。オランダ人女性を自宅に招いて射殺、その遺体を食してしまった猟奇事件。精神鑑定の結果、「心神喪失状態」として不起訴処分となり、1984年に日本に送還された。
佐川さんはその後、小説「霧の中」「新宿ガイジンハウス」などを書き、作家としても活動したが、本紙もひょんなことから、佐川さんに小説の連載をお願いしたことがあった。
きっかけはフランスのテレビ局「アンテンヌ2」の取材。日本の記者が佐川さんにインタビューしている映像を撮りたいという話がきて、待ち合わせの銀座に出かけた。
仏人ディレクターは佐川さんと歩きながら話してほしいという。何を話したかは忘れたが、ディレクターが佐川さんの横で何度も「デビル」と呟くので、出演をお願いしておいてなんて失礼なヤツだと思ったものだ。
撮影が終了、昼時だったので佐川さんをランチに誘った。気さくな佐川さんはOKで、入ったのは銀座4丁目角のビルの中華料理店。「何にしますか」と食べたいものを聞いたら、即座に「肉団子」。「?」。聞き間違えか、えっ!? それだけはないと無意識のうちに思っていたんだろうと思う。意表をつかれ、言葉を失った。