にしおかすみこに学ぶ生きるヒント 家族との悪戦苦闘描いた「ポンコツ一家」がベストセラー
そう某出版社の書籍編集者は言う。最も共感を集めているのは、前向きな生き方、コメントだという。東京新聞の同連載でも「3人のうち誰から倒れてどんな病気になって……と考えると気がめいります」としつつ、こう言っている。
■「今日と明日の朝ご飯までしか考えないようにしています」
「だから私はいつの頃からか、今日と明日の朝ご飯までしか考えないようにしています。そこまでなら、私は病まずになんとかできるという感じ。自分が元気じゃないと家族も救えない。自分ファーストでいこうと思っています」
家族をネタに「切り売り」したという気持ちが「引っかかる」と他のインタビューなどで正直に打ち明けつつ、ここでも、にしおか流のこんな考えを語る。
「ごめんなさいと言っても誰も幸せにならないから、そこはもう考えないでおこう」
さらに「すごくしんどくなったら逃げる気は満々」などとも、言ってしまう。
にしおかは千葉県出身、青山学院大経済学部卒。ピン芸人でブレークし「エンタの神様」(日本テレビ系)などに出演したが、「消えそうな芸人ランキング」で上位にいたことなどから悩み、フルマラソンに挑戦し、春風亭小朝の指導で落語を学び高座名は「春風こえむ」へ。逆境に陥りながらも、それをバネにサバイバルしていくスタイルはいまの閉塞した時代にマッチしているのだろう。今度の再ブレークは長く続きそうだ。