中森明菜は20年前の「アンタ、仕事やめたほうがいいよ」の言葉を噛みしめてほしい
まだ2000年になる前だったか、事務所を次々変わって彼女が不遇だった頃、当時のマネジャーが違法薬物で検挙されたことがあった。「(公私で仲のいい)明菜はどうなのか?」と芸能マスコミが彼女を血眼になって捜したが、たまたま僕とカメラチームだけが彼女を見つけ、タクシーに乗り込んだところで声をかけた。すると明菜はタクシーの窓を開け、僕の質問を無視しつつ、「アンタ、仕事やめたほうがいいよ。人生、考えたほうがいいよ」と冷たく言い残して運転手をせかし、消えていった。
翌日、僕は2つの番組で状況説明したのだが、ひとつ目の番組キャスターは故・岸部シローさんだった。岸部さんは「シロさん(僕のこと)、きつく言われてましたねぇ」という反応。もうひとつは草野仁さんの番組で、こちらは「明菜さんは、今のご自分の立場を理解していないようですね」と毅然と語っていた。
■この時の言葉を今、あえて返したい
僕は彼女に何のわだかまりもない。ただ、この時の明菜の言葉を今、あえて彼女に返したい。歌の仕事をやりたいのだろうから、ちゃんと時間をかけて準備し、満足できる状態をつくれば、メンタルだって強くなるだろう。
彼女を待つファンはまだ多いし、コンサートをやりたい、テレビに出たいと言えば、協力するプロデューサーだっているはずだ。もう一度、本気の彼女に戻ってほしいだけに、20年以上前に言った自分の言葉を噛みしめてもらいたい。