不毛な世代間闘争、「世代」という名のカメラでは解像度が低すぎる
世代と価値観の話をしよう。今さら聞けない時代のキーワードの話を。
ゲンダイ読者に「Z世代(ジェネレーションZ)」という言葉はどれほど浸透しているだろうか。ウィキペディアによれば、アメリカ合衆国において1997年から2012年に生まれた人たちのこと。遡っていくと81~96年生まれの「ミレニアルズ(Y世代)」、65~80年生まれの「X世代」となる。
アルファベットを使った世代分類はXから始まった。「ジェネレーションX」は、日本の出版社マガジンハウスで働いたこともあるカナダの小説家ダグラス・クープランドが91年に出版した同名小説に由来する(ロバート・キャパの50年代のフォトエッセイが初出という説あり)。Z世代はX世代の子どもたち、というのが大まかなイメージ。物心ついた時には親がスマホを使い、ネットは常時接続が当たり前という世代。いわゆるデジタルネイティブですね。
いまアメリカではX世代が総人口の20%強といわれ、社会の中枢を担う世代として注目されている。対して日本ではZ世代にあたる11歳から25歳は総人口の13%程度。X世代のひとりとしては、いろんな負の遺産を背負わせるのが心苦しい低い数字である。全世界となるとZ世代は約25億人、全人口の3割以上におよぶという。そりゃあK-POPも世界輸出を目指したわけだ(じゃあ日本はなぜ目指さなかったの?)。