恋リア「ラブ トランジット」がめっぽう面白い パートナー像のあり方の未来図を見る
〈繊細さに惹かれ、細かすぎて別れた〉という矛盾。前に進むつもりでホカンスに来た誰もが、気づけば螺旋階段をぐるぐる回っている。昇っているのか降りているのかもわからずに。そこがおそろしく、滑稽で、いとおしい。
自分も新しい恋をしたい。昔の恋人と復縁したい。そんな夢想に浸る視聴者は多いだろう。だが……なるほどこんな愚かなことをくり返すうちに人生は終わっていくんだな、という諦観にたどり着く視聴者も少なくないと思うのだ。
どこか明るい諦観が得られるならば、若者の恋リアを観るのも悪くない。だが、50代以上の元夫婦5組、そんなラブトラもぜひ観てみたい。そしてそのとき、新しい恋の相手が同性でも何ら不思議ではない。