中村うさぎ&マツコ・デラックスの掛け合いに思う…週刊誌の人生相談回答者に必要な資質と能力とは
季節外れのインフルエンザに罹患した娘に付き添って行った調剤薬局で、思いのほか待たされることになった。なかなか名前が呼ばれない。
薬剤師が先客に話す内容が聞こえてくる。今年は前例がないレベルで咳止め薬が足りないそうだ。新型コロナの影響かとまず思ったが、最大の理由は2020年以降にジェネリック医薬品(後発薬)のメーカーによる不祥事が続き、生産停止の処分を受ける会社が相次いでいるからだとか。そういえば、今週月曜(10月23日)も、後発薬業界最大手の沢井製薬が品質確認検査に不正があったことを認めて謝罪会見をやってたな。
当局による同社への業務停止命令などの判断はまだだというが、数年前に同社のCM音楽を作ったぼくにとっては十分にショッキングなニュースである。また医薬品の一部原料が中国やインドの規制強化で輸出が厳しくなったことも、咳止め薬不足に影響しているらしい。ぼーっと聞いていると処理できないほどの情報量に、咳ひとつない健康なぼくも頭がモヤモヤする。世の中、事はそうシンプルではないと痛感するばかり。
薬局の時間つぶしに手に取ったサンデー毎日の、中村うさぎ&マツコ・デラックスの人生相談『信じる者はダマされる』にふと目が留まる。〈まともそうでない男性ばかりが寄ってくる〉と嘆く47歳の女性相談者に、自分がある男性からかけられた言葉を引用して回答するうさぎさん。その男性はうさぎさんに「セックスしている姿は想像できるけど、セックスに至るまでの道が全然見えない」と言い、同席した別の女性には「セックスに至る道は見えるけど、セックスしている姿が想像できない」と言い、つまりセックスしている姿とセックスに至る道も両方見えるのが男にとって理想の女と結論づけたそう。