タモリさんの予言した流行語 「新しい戦前」を「戦中」にしてはいけない
今年も流行語大賞のノミネートが発表された。
並み居る流行語の中に、ひっそりとたたずむ「新しい戦前」を見つけた。ご存じタモリさんが徹子の部屋で発した言葉、去年の暮れに「来年はどんな年になるかしら」と問われた答え。はやっては廃れる流行語の仲間に加えるにはもったいない、今の時代を映した普遍の表現だ。
あれから1年、まさにタモリさんの予言通り、時代はますます「新しい戦前」の様相を呈している。ウクライナ、そしてガザでは市民を巻き込む悲惨な戦闘が行われ、日本の政治家は、次は台湾有事で血を流す覚悟をしろと訴える。
マイナンバーカードにはあらゆるものが紐付けされる。それは戦前に医療や建設など特定の労働者を把握する目的の「職業能力申告手帳」が作られ、戦争に備えて必要な人材を必要な時に連れて行ける「国民徴用令」が施行され、さらに拡大して「国民労務手帳」となったのに酷似している。「徴兵制」につながる流れだ。
東京新聞に今年93歳で、毎月3日に国会前に立ち続けるノンフィクション作家、澤地久枝さんの記事が出た。