真琴つばささん 20年通った街のお寿司屋さんが閉店…初めて「生きる力」だったと気づいた
真琴つばささん(俳優・歌手/60歳)
宝塚のトップスターとして活躍した真琴つばささん。生きるクスリは長年通われた地元のお店。なくなって初めてわかることがあるという。
私の「生きるクスリ」は健康法ではなくて、身近な存在のありがたさなんです。それは20年通った一軒のお寿司屋さん。ご夫婦でやられて80歳手前に閉店したのですが、なくなって初めて「私の生きる力だったんだ」と気づきました。
地元の同い年の友だちから「近くにおいしいお寿司屋さんがある」と言われ、いわゆる街のお寿司屋さんに連れて行ってもらったのがきっかけでした。
8人座ると満員のカウンターと昔ながらの小上がりの席があり、いい雰囲気で。そしてとにかくおいしくて! 何度か行くと、もう「ここのお寿司じゃないと食べられない」と思ったほど。
それから一人でも通えるお店になりました。電話を入れて「おかあさん(女将さん)、今から一人で入れる?」と聞くと「なんとかするよ!」といつもやさしいお返事。やがて食べるネタも決まっていき、最初から握りでカンパチ、ミル貝はお決まり。おとうさん(主人)が旬のマグロのお刺し身を勧めてきても必ずその2つをまず味わいたかったですね。握りばかりの私におかあさんは「まみさん(本名)はおとうさんの味がわかってる。すごくうれしい」と言ってくれて。握りにはその人の味が出ると思うんです。でも、マグロのお刺し身も途中で頂いてすごくおいしい(笑)。