真琴つばささん 20年通った街のお寿司屋さんが閉店…初めて「生きる力」だったと気づいた

公開日: 更新日:

「握る人でこんなに味が違うんだ」と思うほど、おとうさんが握るネタはみな生き生き輝いて見える。マグロ、ミル貝、エビ、とびっこ、キュウリ、たくあん、しそ、ゴマなどが入った特別な手巻きを作ってもらったこともありました。こんなに入っているのに口の中でそれぞれの味がハッキリわかってとてもおいしく、心の中で「宝巻き」と名づけてました。あの手巻きはおとうさんにしかできないですし、それを支えているおかあさんの存在も欠かせないと思いました。

 ご夫婦は三十数年前から同じ場所でお店をやられてきたので、親の代から通われている方もいらっしゃいましたよ。私も気づけば20年の常連。本当にあっという間でした。ある時期に突然、「来月に辞める」とおっしゃられ、みんなびっくりしていました。

■「当たり前」がなくなる寂しさ

 最終日近く、昔から通っていた仲間と集まり、みんなでカウンター越しに花を一輪ずつ渡して、宝塚の退団みたいな雰囲気で(笑)。

 閉められてから数カ月間、私の心におとうさんの味やおかあさんのおもてなしへの思いが日ごとに募っていったんです。お店に行くことが当たり前だったので、「当たり前」がなくなる悲しさを感じました。他のお店でお寿司をいただいても、おとうさんの味が舌に残っています。私にはただの飲食店ではなく、生きるチカラになっていたと実感しました。私だけでなく、「お寿司屋さんロス」の常連が大勢いるようです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  4. 4

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  5. 5

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性

  1. 6

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  2. 7

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  3. 8

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 9

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  5. 10

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」