『ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男』独裁者に心酔し国民を戦争と虐殺に駆り立てた男の末路

公開日: 更新日:

 邦題は「ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男」だが、原題は「Führer und Verführer」。直訳すると「総統と誘惑者」で、この原題のほうがふさわしい気がする。というのは宣伝男ゲッベルスの単なる成功譚ではなく、彼が地位を利用して女性部下や女優に好色ぶりを発揮し、ライバルたちに成功を妨害され、ヒトラーに睨まれ、それでもヒトラーの信頼を回復し、最後はヒトラーと“心中”するという有為転変の物語だからだ。

 ゲッベルスはいくつもの恐るべき方針を打ち出す。ポーランドを攻撃するや、部下を集めて今後の政策は「戦争を行うためのもので、情報を与えるものではない」と宣言。外国のラジオ放送を禁止し、「我々が怒りをあおり、動揺と嫌悪感を植え付ける」との方針を打ち出す。ニセ情報によるプロパガンダを推し進めていくわけだ。同時にヒトラーを実像以上に偉大な存在に見せるための演出を考案し、新聞・ラジオなどのメディアを思うままにコントロールする。

 このあたりは大戦中の日本の軍部にきわめてよく似ている。その延長線上にトランプや立花孝志がいるのかもしれない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  3. 3

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  4. 4

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  5. 5

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  1. 6

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  2. 7

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 8

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  4. 9

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性

  5. 10

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  4. 4

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  5. 5

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  1. 6

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  2. 7

    大阪万博メディアデー参加で分かった…目立つ未完成パビリオン、職人は「えらいこっちゃ」と大慌て

  3. 8

    容姿優先、女子アナ上納、セクハラ蔓延…フジテレビはメディアではなく、まるでキャバクラ状態だった

  4. 9

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  5. 10

    エンゼルス菊池雄星を悩ませる「大谷の呪い」…地元も母校も同じで現地ファンの期待のしかかる