「女帝」の濡れ場に挑んだ黛ジュン
映画は大入り満員。興行的には大成功だったが、思わぬ問題が起きた。主人公のモデル・竹久みちが法的手段に打って出たのだ。配給元と製作会社を東京地検に名誉毀損で刑事告訴。さらに東京地裁に8000万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こした。
「竹久側は封切り直前に上映中止の仮処分を申請しようとしたのですが、そうした前例はなく、裁判所に納める保証金も高額になりそうだったので断念。とはいえ、このままでは怒りが収まらない竹久は訴訟に踏み切ったんです」(芸能記者)
ところが、その後、裁判が進行しているような様子はなかった。
「竹久は三越事件の公判対策でそれどころじゃなくなっていたんです。自身が塀の内側に落ちるかどうかの瀬戸際。結局、映画に関しては相手と和解したもようで、訴訟は取り下げることになったようです」(同)
愛人の岡田社長を通して三越から不当な利益を得ていたことが発覚。竹久は岡田と共に19億円の特別背任で逮捕された。最高裁まで争われ、97年10月、懲役2年6月・罰金6000万円の実刑判決が確定。刑期を終えた後は目立った活動はなく、09年7月、動脈瘤のため79歳で亡くなった。