実力派・笑福亭羽光 献血ルームで小腹満たした下積み時代
若手漫才ユニットのメンバー、漫画原作者という異色の経歴を持つ二つ目の笑福亭羽光さん(43)。笑福亭鶴光さんに入門したのは34歳。さがみはら若手落語家選手権優勝、北とぴあ若手落語家競演会大賞を受賞した実力派ながら妻子とは半別居。シェアハウス住まいで真打ちを目指している。
■ホモ疑惑が立った兄さんとの6畳一間生活
「羽光、ホモ疑惑」ってぇのが一時、ありましてね。それは東日本大震災のあった11年。何の因果か震災直後の5月に前座から二つ目に昇進したのはいいけれど、嫁が当時、3歳の長男を連れて静岡県三島市の実家へ帰ってしまったのがきっかけです。
それまでは三軒茶屋の家賃16万円ほどの2LDKマンションに住んでましたが、1人ではとても払える額じゃあありません。当時、収入は月10万円あるかないかでしたからね。
それで師匠は違うのですが、昔昔亭A太郎兄さんが住んでた6畳一間のアパートに転がり込みまして、居候することになったんです。A太郎兄さんは6歳年下ですが、落語界に入ったのが1年先輩。それで“兄さん”でして、すごーく気がいいんですね。私が困ってたもんですから、「家賃の半分、月3万円払ってくれるなら来ていいよ」と。私にとっちゃあ、まさに“地獄に仏”です。