実力派・笑福亭羽光 献血ルームで小腹満たした下積み時代
■献血ルームは“天国”みたいなスポット
私はというと、名古屋にある大須演芸場さんにお世話になりまして、月のウチ2週間から20日ほど住み込みで高座に上がらせてもらいました。こちらは1日2回、高座に上がって4000円。他に1回1万円から2万円ほどの営業の仕事をいただいて、月収10万円のノルマを達成するのに必死でした。
この中からA太郎兄さんとこの家賃3万円と、嫁への仕送り3万円を出すと残りは4万円。これから携帯電話代や交通費を払うと、飲食費に使える額なんて知れてます。食事は1日1食。他は先輩にごちそうになるか、差し入れのお菓子で10円でも出費を抑えようと必死。大須演芸場にいる時はシャワーを使えるので風呂代は浮きましたねえ。
節約術としては献血にもお世話になりました。新宿駅とかに併設されてる献血ルームに行くと、ジュースやスープ、お菓子が食べ放題なんですよ。さすがに何十杯も飲んだり、お菓子を箱ごと食べちゃうなんてことはしませんが、時間つぶしをしながら小腹を満たせられるんですから、貧乏落語家には天国みたいなスポットですよ。
そんな二つ目生活が約3年。今は月5万円の中野のシェアハウスを東京の拠点に、三島市の嫁の実家を行ったり来たりしながら真打ち目指してますんで、ぜひ、高座を聞きに来てください。