田代まさしが激白 清原逮捕時「ストロー発見」の意味とは
テレビであれだけ報道されると、今まで薬物に興味がなかった人も「清原がやめられないほど良いモノなのか」と興味を持っちゃう。よく“経験者”が「違法薬物事件のニュースを見ると、またやりたくなる」と言うけど、コレは本当。僕は講演でもよく「『駐車お断り』って看板見ただけで反応したり、ヤクルト配ってるオバサンを『ヤク』の売人だと思ったり。去年、健康診断で採血の針を見てドキドキしてたら、看護師が下手くそで何度も失敗するから『オレが代わりにしましょうか』って言ったんです」とか話すんですけど、今もやりたい願望が首をもたげる時はある。だから“明日は我が身”なんです。
清原くんに言いたいのは、やめられない、使いたいと言えるようになることが大事ということ。日本の法律って、最初は甘くて再犯ごとに刑が重くなる。それより、初犯の段階で施設や病院を斡旋することが法律で決められていたら、早い段階で回復する可能性も上がるはずなんです。「WHO(世界保健機関)」でも「依存症は病気」と言っていて、アメリカでは初犯から治療や施設の選択肢があるのに、日本は刑務所しかない。日本は排除するばかりでフォローアップしない社会。見守る人が必要なんです。
マスコミは「何年前からやってた」「言動がおかしい」ということばかり取り上げるけど、使っちゃったんだから仕方ない。どうして今後を心配してあげないんだろう。薬物依存の一番の問題は孤立化。日本の社会の風潮とか法律が孤立を助長させるつくりになっている。借金背負ってカミさんと子供たちと別居して信用も失って、今度こそやめなきゃと思っても、世間から追い込まれてまた手を出しちゃうんです。
■「彼が回復モデルになれば」
ASKAのように、病院に入るのも選択肢のひとつ。依存症を「精神障害」と診断する病院もあって、強い向精神薬で多幸感を与えてくれる処方薬を出すところもあります。でも、その精神薬に依存するようになったり、「ベンザブロック」30錠飲んだら効くとか、ブロン液を飲むとラリっちゃうとか、みんな抜け道を模索し始める場合もあるんです。
やっぱり、「ダルク」のようにクスリをやめたいという仲間の中に、自分の意思で身を置くことが大事。アジサイが土壌を変えると花の色が変わるように、環境を変えると人は変わる。だから今回のことをつまずきや失敗と思わず、三振したと思ってほしい。彼にしか打てないホームランがあるはず。ヤキュウ(野球)だけに、いいオキュウ(お灸)と思ってね。現役時代、子供に野球で夢を与えていたように、彼が回復モデルになれば薬物依存者に夢や希望を与えられる。押し売りするわけじゃないけど、落ち着いたらオレの本を差し入れしてあげようかな。今までは「KKコンビ」だったけど、これからは「TKコンビ」でやっていこう。