ヌード前夜は下着を着けずに寝るということも知らなかった

公開日: 更新日:

大西結花編 <8>

 15歳で上京し、二十歳をいくつか過ぎるまで、仕事から仕事へと駆け回った。タレントの「大西結花」で1日24時間、1年365日間を過ごしていた。

 少しほっと一息つけたのが、23か24歳になるくらいの頃。時間を見つけては愛車でひとりドライブした。思い立ったら、ハンドルを握った。行き先は友だちの家とか、思いついた場所など行き当たりばったりで、誰にも見られず、好きな音楽を聴きながら、羽を伸ばせる時間が好きだった。

 バーに飲みに行ったりもした。初めて「飲みに行く」ということに胸が高鳴った。と同時に誰かに見つかったらどうしよう、という気持ちにもなった。成人しているので、お酒を飲むことはいけないことではない。しかし、盛り場に行くような行動自体、アイドルには許されないことのように言われてきたし、なによりもお酒を飲んだことなどないに等しい私が飲みに行くなんて!

 友だちはお酒、飲めない私はコーラだったけれど、自分も大人の仲間入りをしたような気になってうれしかった。もう十分大人の年齢なのだけれど、このような経験のない私にとっては、とても貴重な、大人の時間だったのだ。隣では同世代の友だちがお酒をおいしそうに飲んで、楽しんでいる。その姿がかっこよく、羨ましくもなった。周りに気づかれないようにキャップを深くかぶり、ほとんど顔を上げたりもしないまま、バーでの短い時間が過ぎた。そんなふうにこっそりすることも初めての経験だったし、スリルだった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動