堀江しのぶは絶対的な日本人の母親像“和顔”だった
第10代クラリオンガールには黒川ゆりが選ばれた。
「高校3年なら優勝はない。だってクラリオンガールになったら1年間はあちこち引っ張り出されるんだから。じゃあグランプリは無理だと思うけど、平凡パンチの連中を知ってたから、僕から“なんか賞をあげてくれ”って言って、平凡パンチ・アイドル賞ってのをつくってもらったんです」
野田の強引な手法は彼の持ち味である。
コンテスト終了後、野田は愛知の高校3年生に名刺を渡した。イエローキャブという吹けば飛ぶような無名のプロダクションだったので、愛知の高校3年生は警戒した。
クラリオンガール・コンテストに出場する前にすでに小さなコンテストにいくつも出場していた高校3年生の手元には、野田以外のプロダクションの名刺が束になっていた。
勝ち目はなかった。
(つづく)
▽野田義治(のだよしはる)1946年、富山県生まれ。渡辺プロ系列のプロダクションで夏木マリ、いしだあゆみらのマネジャーを担当。80年にイエローキャブ設立。故・堀江しのぶ、かとうれいこ、細川ふみえ、山田まりや、佐藤江梨子、小池栄子、MEGUMIらを発掘し「巨乳軍団」の名物社長として知られる。04年に同社社長を辞任。現在はサンズエンタテインメント会長。