“闇営業”の法律的・道義的な線引きをハッキリさせよう?
だが、今の時代ではあり得ない。ただし、不可抗力はある。
知り合いの芸能プロのマネジャーがこう話してくれた。
〈地方企業のパーティー営業の依頼が来た。調べてみて問題なしとなり、実際にタレントを行かせてみたが、どうも様子がおかしい。事務所の責任でその場から離れさせるべきだったが、言うほど簡単ではなかった。他にも依頼主には問題はなくとも、一緒に写真を撮った相手が反社の人間だったということもあるだろう〉
要するに、反社会的勢力は完全に排除することができない。重要なのは反社の人間だと知った時点と、メディアに報じられた後の対処の仕方だ。
まずタレントは、どんな仕事であれ、事務所を通すことだ。写真が出ても事務所が責任を取る案件となり、タレントには累が及ばない。知人など個人的な付き合いで無報酬で出席する場合も、念のため事務所に相談しておくとさらに危機管理になる。
一方、事務所は売れていないタレントの闇営業は黙認、もしくは事務所の取り分を極端に減らしてやるという対処がある。売れっ子タレントなら、「ノーギャラなら認める」といった取り決めを事前に結んでおく。契約相手が暴力団関係者かどうかの情報は、警察が個々の事案に応じて可能な限り提供してくれるので相談してみたらいい。