嘘ついた芸人と詐欺グループ…焦点はどちらが信用できるか
いまだ収束しない闇営業騒動だが、そもそもの問題としてあるのが、最初に芸人たちが犯した行為はそこまで責められるべきものだったのか、という疑問だ。
今回、仲介をしたカラテカの入江を除けば、芸人たちがやったのは「相手の素性を知らずに詐欺グループの直営業に行き、ギャラを受け取ってしまったこと」となる。結果的にとはいえ詐欺グループのギャラを受け取ってしまったことは批判されて当然だろう。吉本興業や芸人は一般企業以上に反社との関係に注意を払わなければならない立場である。
ただ、その経緯を改めて検証すると、事前に相手が詐欺グループであることを把握するのはかなり難しかったのは間違いない。問題の忘年会が開かれたのは2014年12月のこと。そして詐欺グループが逮捕されたのは、それから半年後の15年6月である。忘年会の時点では逮捕もされておらず、当然、警察当局に問い合わせても反社チェックには引っかからない。
この時点で相手の素性に気付けなかったからといって、そこまで大きなミスとはいえないだろう。反社チェックの難しさは多くの専門家も指摘しているとおり。現在の反社は巧妙に一般人を偽装しており、この詐欺グループもダミーのエステ会社を看板にしていた。問題なのは、入江がその反社チェックすら行わない直営業を斡旋してしまったことだ。