反社会勢力と切っても切れない関係性 100年超える歴史の膿
闇営業報道に端を発した一連の騒動は、当初のスキャンダルから、いつのまにか吉本興業と芸人の契約実態やパワハラ疑惑など、吉本興業の体質批判にまで燃え広がっている。
社会が興味を持つのは当然だが、その中で置き去りにされているのが、最初のきっかけであり、最も重要な問題でもある「反社とのかかわり」についてだろう。実はこの点について言えば、現在の吉本興業が反社勢力の排除のために戦ってきたという事実はあまり知られていない。まず、この大前提を知っているかどうかで、今回の騒動の見方も変わってくるはずだ。
確かに創業の時代から、吉本興業と反社勢力が深い関係にあったのは紛れもない事実。実質的な創業者である吉本せいは、人気芸人の専属契約を取るために山口組2代目・山口登組長に協力を依頼し、山口組長はこのトラブルがもとで襲撃され死去している。昭和の吉本に君臨した林正之助元会長と、山口組3代目・田岡一雄組長との関係もあまりにも有名だ。
芸能とやくざの歴史を見れば、社会や時代がそうだったという話でもあるのだが、いずれにせよ現在では決して許される関係ではない。「だから、吉本は今も反社と関係が深い」と思われても仕方ない部分はある。