AV界で名を馳せた伝説の男優 マグナム北斗さんは今何を?
「総額1億円くらい稼いだんちゃうかな」
さて、広島県三原市生まれ、兵庫県神戸市育ちのマグナムさんがAVデビューしたのは、航空自衛隊除隊後の1985年。全長25センチの巨砲を武器に、人気AV嬢たちを切って切って切りまくった。
「ギャラは1本2万円からスタートで、最高額が10万円。引退までの約5年間で600本ほどに出たかな。ほかにもテレビとか週刊誌、スポーツ紙にもよーけ出させてもろてたし、付きおうてたお姉ちゃんに小遣いもらったことも……。多分、総額1億円くらい稼いだんちゃうかな。貯金? せーへんせーへん。キレイさっぱり飲み代に消えましたわ。アハハハ」
そして90年に「裸で天下取ったから、今度はスーツ着て天下取ったる」と電撃引退。漫才コンビ「ハーレム野郎」を結成したり(96年解散)、AVプロデューサー、ナンパ評論家、セックスカウンセラー、デリヘル経営などを経験。また、プロレス好きを買われて、専門誌でライターをしていたこともある。
「89年に(アントニオ)猪木さんがスポーツ平和党を旗揚げして政界に打って出たでしょ。あの時、銀座の山野ホールで演説会があって司会を任されたのがきっかけですわ。それが縁で、今も道頓堀プロレス(大阪)とか格闘技イベントでリングアナをさせてもらってるんですから、人生って面白いもんです」
だが、ドン底に落ちたこともある。
「ここ10年でも2回、エライ目に遭ってますわ。東日本大震災のあった2011年は、なんの予告もなく年末に失業。14年10月にはノドの声帯部分に腫瘤ができて声が出んようになったしね。この時は咽頭微細手術で乗り切りましたけど、リングアナで声が出んかったら死活問題。以来、たばこはやめてますわ」
落ちても落ちても這い上がる。メンタルの強さも持ち味だ。
(取材・文=高鍬真之)