著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

「ひとは生きてきたように死んでいく」──本当だろうか?

公開日: 更新日:

 先月、若い優秀な同僚の医師が亡くなりました。39歳、急性白血病でした。若い人の死は壮絶で、そしてとりわけ悲しい……。

 2カ月前に彼とやりとりしたメールが最後でした。

「さまざまな合併症が起こり得ることを伝えられ、不安は尽きませんがここまで来たからには頑張るしかありません。まずは治療が順調にゆき、一日も早く日常生活に戻れたらと思います。ご迷惑、ご心配をおかけして誠に申し訳ございませんが、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」

 彼自身の無念さ、奥さんやご家族の思いはいかばかりか。患者さんのために一生懸命に頑張ってきた彼が……。こんな時、「神様はいるのか?」「神様なんていない!」と思うのです。

 元駒沢大学総長の水野弘元氏は、書籍「死の準備と死後の世界」で次のように書いています。

「毎日を規則正しく送り、食事、仕事、運動、休息、睡眠などを過不足なくし、これを正しく続けることによって、健康を害して病気になることも無く、仕事の能率も上がって経済的にも不自由がなく、家族の生活も安定する。さらに周囲の社会に対しても、精神的、物質的な奉仕ができるように努力を続けるならば、死に際しても周囲に迷惑をかけることなく、安らかに世を去ることができるであろう。ある仕事を持っているひとは、今生で成し遂げられなかったことは、せめて来世でもこれを続け、さらに進歩発展させたいとの希望をもち、満足して死を迎えることができるであろう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇