強度近視が進行すると網膜剥離や黄斑変性症につながる恐れ
近視人口が「パンデミック(感染爆発)」と表現されるほどの勢いで増えています。
2015年の英科学雑誌「ネイチャー」には“20年までに世界の人口の3分の1にあたる25億人が近視になりかねない”とする論文が掲載されました。近視は白人や黒人に比べて黄色人種に多いといわれ、中国や台湾などでは子供の近視増加が大問題になっています。
日本も例外ではありません。17年度学校保健統計調査では裸眼視力1.0未満の割合は小学生で32.46%、中学生で56.33%と調査開始以来、過去最高でした。成人の近視も増えており、40歳以上の42%が近視で、そのうち20人に1人が強度近視という報告もあります。
近視は小学生から高校生にかけて急激に進行し、大人になるとそれ以上は進まないといわれてきました。しかし最近は、大人になっても近視の進行が止まらない人が増えています。強度近視が進んで、その一部は出血などを伴う病的近視になります。最終的に失明してしまうことがあり、日本の失明原因の上位に常に強度近視が入っています。