尾上泰彦
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尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

アソコのブツブツが気になる…それって病気?生理的変化?

公開日: 更新日:

「先生、アソコに小さなブツブツができています。何か病気でしょうか」と来院される若い女性が少なくありません。「アソコ」とは女性器のことですが、彼女たちがよく気にするのは小陰唇の内側(膣前庭)にほぼ左右対称にできる径1~2ミリほどの多発した乳頭状の突起物です。

 性器にブツブツができる性感染症としては、男女ともにまず「尖圭コンジローマ」を疑わなければいけません。先のとがった小さなイボがたくさんできて、鶏のトサカ状やカリフラワー状に成長する病気です。

 しかし、膣前庭に小さなブツブツができる症状には「膣前庭乳頭腫症」もあります。これは病気や性感染症ではなく、生理的変化による現象です。日本人女性の20~30%に見られるとされます。痛みやかゆみなどの自覚症状はなく、突起物の数や大きさは変わることがあり、放置しておいても問題はありません。

 このような生理的変化による性器のブツブツは男性にも見られます。亀頭の冠状溝(カリの部分)に沿ってできる乳頭状の小さなブツブツです。これは「真珠様陰茎小丘疹」と呼ばれ、日本人男性の約40%に見られるとされています。

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