心臓病の人はワクチンより感染で生じるリスクの方が高い
もちろん、心臓に持病のある患者さんがワクチンの副反応に対して不安になる気持ちはよく理解できます。しかし、副反応のリスクよりも、感染によるリスクや重症化して高度治療を受ける可能性の方がはるかに高いといえます。
■心臓病の患者が接種しても安全
知人の中に、新型コロナに感染した人が数人います。ほとんどが回復しましたが、肺炎の後遺症として呼吸器障害が残ったり、血栓症や心筋梗塞を起こしたり、抵抗力が落ちて回復後に敗血症になり亡くなってしまった人もいます。
われわれがコロナに感染した患者さんの手術を行う場合、体内からウイルスがいなくなった時点から6週間の期間を空けます。コロナ感染症が治っても後遺症が出ないかどうか、全身状態に問題がないかどうか、1カ月半は経過を観察しなければ手術できないのです。
一般的な風邪のように治れば1日か2日で普段の状態に戻り、食べたり飲んだり動いたりできるようになるとはいかないのが新型コロナなのです。