新型コロナと闘ういまの日本には「柱」が見当たらない
マンガ、アニメ、映画で大ヒットしている「鬼滅の刃」には、新型コロナウイルスに打ち勝つために学ぶべき点が描かれている。前回、そんなお話をしました。
物語の中で、主人公の竈門炭治郎は、鬼の始祖・鬼舞辻無惨を打ち倒すため「鬼殺隊」と呼ばれる人間を鬼から守るためにつくられた組織に加入します。その鬼殺隊には、「柱」と呼ばれる9人の幹部がいます。組織の中でも最上位の階級に位置する剣士たちで、それぞれが圧倒的な実力を誇っています。そんな柱のひとりが強敵の鬼と対峙した際に口にした印象的なセリフがあります。
「俺は俺の責務を全うする! ここにいる者は誰も死なせない!」
“リーダー”としての強い覚悟と責任を感じさせます。
新型コロナウイルスと闘ういまの日本には、こうした信念を持った「柱」が残念ながら見当たりません。昨年7月、政府は新型コロナ対策分科会を立ち上げ、会長の尾身茂氏が旗振り役を務めていますが、広く国民に信頼されているかというと、そうとは言えない印象です。尾身会長以外の“顔”がなかなか見えてこないうえ、どうしても政府の意向を強く感じさせるからでしょう。