著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

死亡事故も起こったロボット手術はよりたしかな安全性の検証が必要

公開日: 更新日:

 近年、普及が進んでいる「手術支援ロボット」を使った肺がんの手術で医療事故が起こり、60代の男性患者さんが死亡していたことが5月末に発表されました。

 報道によると、2020年10月に大阪の吹田市民病院で実施された「ダヴィンチ」による肺の一部を切除する手術の際、執刀医が遠隔操作で鉗子を動かした時に大動脈を損傷し、大量出血を招いたといいます。すぐに手術を中断したものの、患者さんは低酸素脳症で17日後に亡くなりました。

 病院の調査では、手術台から離れた場所で操作をしていた執刀医がモニターに映っていない範囲に鉗子を動かし、大動脈に接触させてしまったとのことでした。病院側は「適切な操作をしていれば防げた」と医療ミスを認め、遺族に謝罪して和解金を支払ったといいます。

 前回もお話ししたように、手術支援ロボットは国産も登場するなど新たなタイプの開発が進んでいるうえ、適用される範囲も増えていることから、これからさらなる普及が予想されています。また、ロボット手術を希望する患者さんも多いため、導入する医療機関も増えています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造