血液サラサラ薬を飲んでいるなら、ちょっとした頭の打撲も要注意 すぐにCTで検査をと医師
超高齢化社会の日本で患者数が多いのが、加齢がリスク因子となる脳梗塞や心筋梗塞だ。治療として、血液をサラサラにする抗血栓薬を使用することになるため、脳梗塞や心筋梗塞が増えれば、必然と抗血栓薬を服用する人も増える。適切な使い方を念頭に置いておかねばならない。
「抗血栓薬はメリットもありますが、デメリットもあります。うまく天秤にかけながら使わなければなりません」
こう言うのは、国際医療福祉大学成田病院脳神経外科の末廣栄一医師。メリットは、血液の塊である血栓をできにくくし、脳梗塞や心筋梗塞を予防する。一方、デメリットはケガや脳出血などで血が止まりにくくなることだ。
「抗血栓薬を服用している患者さんでは、軽症の頭部外傷でも脳内出血の率が高くなります。ちょっとした頭の打撲でも脳内出血に至ることがありますし、ベッドから転落し、頭自体は打っていないが遠心力で脳内出血となった例もありました」
末廣医師によると、頭部外傷というと、かつては「交通事故に遭った若者が多い」という時代があったが、今は80代が最も多いという。