冬の朝のウオーキングは心臓が危ない…リスク因子が揃っている
ただでさえ心臓トラブルのリスクがアップする寒い季節に、より気をつけなければならないのが早朝のウオーキングです。先ほどお話ししたように、朝、起床して、あまり時間をおかずに暖かい室内から寒い屋外に出ることで血圧は急上昇します。
そのうえ、朝は、休息やリラックスしているときに優位になる副交感神経から、活動時や緊張状態で優位になる交感神経へスイッチが切り替わるタイミングなので、この時間帯にウオーキングして体を動かすと急に交感神経が活性化することになります。すると、アドレナリンやノルアドレナリンなどのカテコールアミンが過剰に放出され、血管が収縮して血圧がさらに上昇したり、心拍数が増加します。その分、心臓の負担は増大し、心筋梗塞などの心臓血管疾患を起こして突然死を招くリスクが高まるのです。心臓発作は、早朝や起床直後に起こりやすいというデータもあります。
■脱水も起こしやすい
さらに、冬の朝は脱水を起こしやすい環境です。湿度が低く乾燥しているうえ、睡眠中はおよそ500ミリリットルの汗をかいているため、寝起きは体内の水分量が減っています。