冬の朝のウオーキングは心臓が危ない…リスク因子が揃っている
これまで何度もお話ししていますが、脱水は心臓にとって大きなリスク因子です。脱水状態になると、血液の量が減って、粘度も上がります。1回に送り出す量が減り、流れにくい血液を体全体に送らなければならない心臓は、心拍数を増やして対応しようとするため負担が増大します。血液がドロドロの状態で固まりやすくなっているため、血栓による心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクもアップします。とりわけ、心臓にトラブルを抱えていたり、心機能が落ちている人は、脱水から心不全を起こすケースがあります。その場合、腎不全を招いて多臓器不全に陥り、最悪、命を落とす危険もあります。
冬の朝、脱水状態のままウオーキングで体を動かすと、心臓トラブルのリスクはさらに跳ね上がるのです。
もっとも、不安になりすぎて家にとじこもり体を動かさなくなってしまうと、心臓にとってはマイナスです。体を動かすと、心臓はより多くの血液を体中に送り出そうとして、普段より活発に働きます。心臓も筋肉でできていますから、適度な負荷がかかることによってある程度は鍛えられます。逆に運動せずに心臓をサボらせている人は、加齢などで筋力が衰えてくると心筋も薄っぺらくなり、ポンプ機能やペースメーカー機能が衰えてしまいます。心臓の健康には「適度な運動」が欠かせないのです。