初夏だからこそ気をつけたい糖尿病の熱中症…暑熱順化が不十分
「糖尿病の人の脱水が怖いのは熱中症リスクが上がるからだけではありません。尿から糖分を排出することができなくなり、血糖値が上昇してしまいます。そうなると糖尿病ケトアシドーシスを引き起こして昏睡状態に陥る場合もあります」
糖尿病ケトアシドーシスとは急性の糖尿病の合併症のひとつ。高血糖が続くことは全身の細胞に血糖を取り込むインスリンの働きが不足していることであり、それは血糖をエネルギーとして使えない、エネルギー不足状態であることを意味する。
そうすると、緊急避難的に人間は脂肪を分解してエネルギー源とする。結果、血液は酸性に傾き、高度の脱水症状となる。
また、血液中から水分が抜けると血液が固まりやすくなり、血栓ができやすい。そうすると脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高まる。
■運動前後、就寝前、起床後に体重を測る
では、糖尿病の人は、これからの熱中症対策はどのようにすればいいのか?
「暑いと感じたときのこまめな水分補給が基本。暑さを感じにくい人は、とくに運動前後、就寝時と起床時の体重を量り、失われた水分量を視覚化するよう努めましょう」