初夏だからこそ気をつけたい糖尿病の熱中症…暑熱順化が不十分
地球温暖化のせいか、年々暑くなるのが早くなっていると感じる人も多いのではないか。今年も4月15日に新潟県三条市の最高気温が4月としては観測史上1位となる32.5度を記録。本州としては今年初めて気温が30度以上の真夏日となった。その後、全国各地で真夏日が観測されるようになっているが、気温が30度を超えると熱中症で救急搬送される人が増えてくる。糖尿病の人はとくに気をつけたい。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京都大田区蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。
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「そもそも5月は健康な人でも暑熱順化が完成されておらず、熱中症になりやすい。糖尿病の人は健康な人よりもさらに熱中症になりやすい。初夏で過ごしやすい気候とはいえ、汗をかくなど体内から水分は絶えず失われているので、糖尿病の人は熱中症には十分気をつけなければなりません」
暑熱順化とは、体を暑さに慣れさせることをいい、具体的には汗をかける体にすることを指す。
「人は体内の熱を汗として体外に放出することで体温調節を行っていますが、汗をかく機会が少ない冬から春先にかけては汗を出す汗腺機能が低下していてうまく汗をかくことができません。急に真夏の暑さに襲われる5月ごろから、体が順応できずに熱中症になる人が増えてくるのです」