成田でミイラ事件を起こした「ライフスペース」の今…「定説」の教祖は死去、元信者は別団体で活動中
1999年11月に千葉県成田市のホテルで発生した“ミイラ事件”を覚えているだろうか。発生直後に「ライフスペース」(SPGF)という団体の創設者・高橋弘二が記者会見し、「定説」「サイババの勝手なんです」などの迷言を残したあの事件だ。
高橋はインドのサイババの弟子を勝手に名乗り、病人の頭を叩いてエネルギーを注入する“シャクティパット”で病気を治せると吹聴していた。
病気で入院中だった男性を信者が連れ出して成田のホテルで“治療”したが死亡。それでも「生きている」と言い張って、ミイラ化するまでシャクティパットを続けたのだ。
ライフスペースは宗教と関係ない団体で、もともとは参加費数十万円の自己啓発セミナーを開催していた。バブル崩壊後に経営が傾き、高橋が教祖化。病気直しや予言の能力を持つグル(宗教指導者)を自称し、セミナーで数百万円もの料金を取るようになった。95年には高温の風呂に入る修行で学生信者が死亡する事件も起きている。
ミイラ事件では高橋を含め11人が逮捕。学校に通わせてもらえず共同生活をしていた児童9人を、児童相談所が保護した。後に高橋は殺人罪で懲役7年の実刑判決が確定し、信者1人が保護責任者遺棄致死罪で執行猶予付きの懲役判決を受けた(他は起訴猶予)。