著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

勾留中の19歳が健康状態悪化で死亡…警察官は「無罪推定の原則」を知らないのか?

公開日: 更新日:

 今月2日、警視庁は留置場担当警察官ら計5人を業務上過失致死容疑で書類送検したことを発表しました。

 昨年4月に警察署の留置場内に勾留中の男性(当時19歳)の健康状態が悪化していることを認識していたにもかかわらず、救急車を呼ぶなど適切な措置を取らなかったことで死亡したためです。

 勾留されていた男性には糖尿病の持病があり、逮捕の日から複数回のおう吐や発熱、逮捕の翌々日にはおう吐に血が混じり、自力で立てなくなっており、車いすに乗って裁判所の勾留質問に向かうような状況だったとのことです。

 留置場の警察官らは、その症状を把握しながら、直ちに対応をせず、勾留質問の後に医師を手配しましたが、その後、男性は呼吸や意識がない状態に陥り、重症糖尿病で死亡したそうです。本件署員らは、「軽度の糖尿病だと認識していた」などと話しているとのことです。

「無罪推定の原則」という言葉を皆さんも聞かれたことがあると思います。

 この原則は、刑事裁判で有罪が確定するまでは「罪を犯していない人」として扱わなければならないというものです。このことは、たとえ逮捕勾留されていたとしても同じです。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…