タワマン高層階に異変…夏の酷暑で南と西向きは“灼熱地獄”に、北向きが見直される
「カーテンを閉め切ってエアコンを全開にしないと、とても暮らせない」
酷暑で住人からこんな声が聞かれるタワマン高層階──。連日35度前後の最高気温を記録する東京都心では、良好な景観と充実した設備でタワーマンションが人気だが……。
「今どきのタワマンの住戸は遮熱タイプの複層ガラスが窓にはめ込まれていますが、周りには高い建物がなく太陽の光が直接差し込むので、全く関係ないですね。特にうちの場合、リビング側にベランダがなくダイレクトウインドーなので、眺望は抜群ですが、日差しが強すぎて遮光カーテンをせずに生活できません」(30代男性)
南向きの部屋は日中の日差しが強く、西向きも夕方の西日がキツイ。そのため、日当たりが悪いと避けられてきた北向きが見直されつつある。
「マンションは、南→東→西→北の順で価格が下がっていくように、北向きは洗濯物が乾きにくく、湿気が強くてカビやすい上に、日が差し込まないので冬は寒くて暗く、以前は不人気でした。しかし、タワマンが一般化してから、その様相は大きく変わりました」(不動産アナリスト・長谷川高氏)