不動産に変調の兆し…日経平均4万2000円到達、都市中古マンション15カ月連続上昇なのにナゼ?
日経平均株価は先週、4万2000円の大台に到達し、史上最高値を更新。株価に影響される不動産価格も高値を維持している。特に、東京都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)の中古マンション(70平方メートル)平均希望売り出し価格(4月)は、1億1588万円と15カ月連続の上昇となった。
だが、一部不動産で変調が見られるという。不動産アナリストの長谷川高氏はこう話す。
「都市部のマンションが堅調な一方で、地方や郊外にある一棟アパートや一棟マンションといった収益物件、戸建て物件で動きの鈍さが見られます。中には売り出しから1年が経過しても売れ残っているものも」
実需のほか、相続対策などで投資用不動産の需要を牽引してきた低金利だが、その流れが変わる局面にあるという。
「マイナス金利が解除され、今後金利が緩やかに上がっていく見通しの中で、収益物件の利回りはこれまで3、4%程度で良しとしてきた投資家の買い控えが見られます。実物不動産は流動性が低く、固定資産税や修繕管理費などの経費を考慮すると、本来、REIT(不動産投資信託)の4、5%を上回っていなくてはならない中、利回りは逆転しています。それだけ不動産価格が高い状況にあります」(長谷川高氏)