丹波篠山市立中央図書館(兵庫県)英国から取り寄せた赤レンガが映える「超開放的空間」
歴史の世界にどっぷり浸れる空間
町の特色は蔵書にも反映されている。篠山城と黒豆にまつわる書籍はそれぞれ約210冊と約125冊。特に篠山城に関しては「1ページでも、1行でも記載があれば、貪欲に収集しています」とは、司書の西沢健太郎さん。ここでは普通の図書館とは一味違う利用方法も楽しめる。西沢さんが続ける。
「保存している昭和6年制作の『篠山城周辺地図』には地名だけでなく各家のところに家主の名前が明記されています。事前にご注文いただければ、デジタル版の提供も可能です。篠山城にルーツがあれば、意外と簡単にご先祖さまを探し出すことができるため、そういった意味でも需要があるんです。また、篠山藩の武士が習得していた武術についての詳細資料もあり、驚かれることもあります。蔵書数約14万冊のうち時代小説も豊富に所蔵しておりますので、歴史の世界にどっぷり浸れる空間となっています」
席数は畳の座敷も含めて約170席で、そこでは水分補給が可能。何時間でも過ごせそうだが、気分を変えたければ、外に繰り出すのもアリだ。
「丹波篠山は見どころ満載です。城下町と同様に宿場町・農村集落も国の重要伝統的建造物群保存地区。日本遺産に登録されている日本六古窯のひとつ、丹波焼の産地でもあります。散策しながら歴史情緒や豊かな自然を感じてほしいです」
とは、館長・田中真紀子さんだ。
●住所 兵庫県丹波篠山市西吹88-1
●℡ 079-590-1301
●開館時間 休館の月曜を除く10~18時
●アクセス JR福知山線篠山口駅(西口)から直通バスで5分