袴田巌さん再審「無罪判決」追い続けたジャーナリストが公判を振り返る…「姉・秀子さんの涙に胸が熱くなった」
今回、袴田さんに無罪判決を下した静岡地裁の国井恒志裁判長は閉廷前に長年、袴田さんの裁判を支援し続けてきた姉の秀子さん(91)に対し、「裁判所として長い時間がかかってしまったことは申し訳ないと思っています」と謝辞を述べ、「末永く心身ともに健やかにお過ごしください」とねぎらいの言葉をかけた。
「秀子さんは信念を持った女性です。50年以上にわたって巌さんの無実を信じ続けてきました。その秀子さんが無罪判決を聞き、法廷で涙を流したのを見た時には、私の胸にも迫るものがありました」(粟野仁雄氏)
袴田さんはおととい(9月29日)県弁護士会の報告会に出席。秀子さんに促されながら「ありがとうございます」と自身の口で語った。
「警察による苛烈極まりない取り調べや長期にわたる拘禁生活の影響で巌さんは意思の疎通がうまくできません。そんな巌さんを秀子さんが支援者らの前に出したのは、これまで支援し続けてきた人たちに自身の言葉でキチンと謝意を述べて欲しかったからだと思います。会場からは割れんばかりの拍手が起こりました」(粟野仁雄氏)
拍手に応えるかのように袴田さんは柔和な表情を浮かべていた。