「虎に翼」の寅子か「アンチヒーロー」の瀬古成美か…自民裏金事件を"スルー"した女性初の検事総長に疑心暗鬼

公開日: 更新日:

 7月9日付で、前東京高検検事長の畝本直美氏(62)が、検察トップの検事総長に就任した。

 中央大卒業後、1988年に任官。経歴は法務省勤務が長く、保護局長や最高検公判部長、広島高検検事長などを歴任していた。23年1月に東京高検検事長に就任し、畝本氏は女性初の検事総長となる。

 今回の女性登用には、NHK朝ドラ「虎に翼」の主人公のモデル三淵嘉子さんが日本初の家庭裁判所の女性所長に就任したことと重ね、期待の声もあがる。しかし、SNSではTBSドラマアンチヒーロー」の女性高裁判事である登場人物・瀬古成美を思い起こした人が多かったようだ。ドラマで瀬古は、懇意にする政治家のスキャンダルを報じたジャーナリストを冤罪で潰し、将来の最高裁判事の座を手にする予定だった――。全く異なる法曹界の女性像がSNSで話題になったのはなぜか。

「歴代の検事総長は法務省刑事局長や法務事務次官、東京地検検事正を経るのが通例ですが、彼女は経験しておらず異色の経歴。任命の背景には同年代で次期候補の辻裕教元仙台高検検事長(62)が、『定年延長』を巡る対応で事実上失脚したことから、彼女に白羽の矢が立ったとされます。畝本直美氏は過去の安定した実力を評価されたのでしょうが、検察ナンバー2として自民党派閥の裏金事件などを指揮したものの、派閥幹部の立件が見送られたことなどに引っかかっている国民が多い。さらに夫で元検事長の畝本毅弁護士(63)は、2018年5月31日に捜査が終結した森友学園を巡る事件の不起訴処分について、記者説明の場に大阪地検次席検事として同席していました。自民党と"縁のある夫婦"とみられているのも、印象がマイナスになっている要因です」(政治部記者)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  4. 4

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  5. 5

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  1. 6

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  2. 7

    大阪万博メディアデー参加で分かった…目立つ未完成パビリオン、職人は「えらいこっちゃ」と大慌て

  3. 8

    容姿優先、女子アナ上納、セクハラ蔓延…フジテレビはメディアではなく、まるでキャバクラ状態だった

  4. 9

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  5. 10

    エンゼルス菊池雄星を悩ませる「大谷の呪い」…地元も母校も同じで現地ファンの期待のしかかる