大阪ディープスポット巡礼! 味園ビルと双璧をなす「三ツ寺会館」が愛おしい
「大阪ミナミには、もうひとつディープな場所があるんですよ」──。昨年末、バーやスナックなどがひしめく「ミナミの魔窟」こと味園ビルの2階部分が閉鎖する直前の様子を取材して回っていたときのこと。そんな言葉をよく耳にした。その場所の名は三ツ寺会館。行かない選択肢はない。寒風吹きすさぶ2月中旬、日刊ゲンダイ記者は現地を訪れた。
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大阪メトロ御堂筋線「心斎橋駅」から徒歩5分。佐野屋橋筋と三津寺筋が交差した所に三ツ寺会館はある。地下1階から4階まで居酒屋やバーなど約60店舗が軒を連ねる雑居ビルだ。
複数ある入り口は、どこもスプレー文字とステッカーだらけ。郵便受けはサビ付き、大半が扉をなくしているか、べこべこにゆがんでいる。まるで廃虚のソレだ。
廊下に突如マネキンが出現したり、放置された1人掛けのカウンターチェアに「おもらししたイスなので座らないで!!」と貼り紙されていたり。もはや愛おしい。
■まずは30周年を迎える老舗の音楽バーへ
最初に入ったのは「BARプカプカ」。今年で30周年を迎える老舗の音楽バーだ。スタッフのこばやんさんに話を聞くと、「昔は治安が悪く、廊下で海外の方がセックスしていて注意しても行為を続けたとか」(こばやんさん)。すてきな話だ。
アットホームな雰囲気に誘われて杯を重ねるうち、隣の男性客が「この間、ドラゴンボールの脚本を担当していた人も飲みに来ていたよ」と教えてくれた。クリエーティブな仕事人が客に多いのだそう。