大阪市喫煙所整備の問題点(下)パチンコ店に頼るのではなく誰もが使いやすい喫煙所の整備が必要

公開日: 更新日:

 大阪維新の会がパチンコをオンラインカジノなどと同列にギャンブルと位置づけて国に法整備を求めたのに対し、業界側はこれに反発したという構図である。問題は、維新がパチンコをギャンブルと位置づけ依存症対策を問題視しておきながら、他方ではそのパチンコ店、業界に指定喫煙所整備を依存しているという政策上の矛盾である。

「万博開幕までに喫煙所整備の当初目標をクリアするためには、独自の分煙対策を実施していたパチンコ業界の協力を仰がざるを得なかったのでしょう。ただし、喫煙所整備を求める声は各方面から出ています。現状では先端的な取り組みで知られる東京・港区の喫煙所設置数が1平方キロメートル当たり5.3カ所に対し、大阪市は1.4でしかない。大阪市はたばこ税収入が308億円(令和6年度当初予算)もあるのですから、民間への補助を通じた指定喫煙所整備はまだまだ可能なはずです」(分煙問題を取材するジャーナリスト)

 横山英幸市長は喫煙所設置について市議会でこう答弁している。

「喫煙所の設置については、引き続き民間の皆さまのご協力も得ながら、分煙環境をしっかりと整えていくことで、喫煙者と非喫煙者が共存できるようにしたいと考えております」(2月19日)

 4月からは大阪府の条例全面施行で客席面積30平方メートル超の飲食店が原則禁煙となる。喫煙規制が一段と強化されるなか、万博の開幕で国内外からの観光客が街中にあふれかえる。喫煙所増設は待ったなしである。横山市長にはぜひ有言実行でお願いしたいものである。(おわり)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小室佳代さんは眞子さんを「配偶者」と呼び、秋篠宮さまは圭さんを「夫の方」と呼ばれ…自伝本が深めたミゾ

  2. 2

    松坂桃李「御上先生」は連ドラの“勝ちパターン”を外してしまった? 1ケタ陥落で疑われる《失速と中だるみ》

  3. 3

    開成合格でも渋幕に入学する学生が…強力なライバル校出現で揺らぐ唯一無二の存在

  4. 4

    “選挙のプロ”立花孝志まさかの凡ミス赤っ恥…第一声「神戸→船橋」急きょ変更のお粗末

  5. 5

    中村芝翫「同棲愛人と破局宣言」で三田寛子の夫婦関係はどうなる? “梨園の妻”の揺れる心中

  1. 6

    小室圭さん母・佳代さん まさかの「自伝本」出版に宮内庁が困惑…“魂の訴え”で秋篠宮家にまた逆風か

  2. 7

    三田寛子はアイドルから“梨園の妻の鑑”に華麗なる転身も…夫の不倫癖で扇千景さんの境地になれない

  3. 8

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希 異例の「マイナー相手に実戦登板」で見えた首脳陣の痛恨トラウマ

  5. 10

    なぜオリ山岡泰輔だけが名前を晒されたのか…SNSでは「不公平」「一律公表すべき」の声