パー券裏金疑惑めぐる岸田首相の発言が「リクルート事件」での竹下元首相発言とソックリに
「国民の信頼」「遺憾」「批判をしっかり受け止める」「信頼回復」は政権危機での常套句
翌89年4月に当時の竹下登首相が「国民に政治不信を招いた」として内閣総辞職を表明するのだが、疑惑が発覚した当初の竹下首相の国会答弁が今の岸田首相とソックリなのだ。
「清潔な政治こそ政治に対する国民の信頼の原点と考えております。このような見地から、リクルート問題を初め幾つかの事案が続けて発生し、国民の政治に対する不信が募っておるということは、これは大変遺憾なことであります」「国民感情として割り切れないものがあるという批判は、この際しっかりと受けとめるべきであると思います」(88年8月の衆院本会議)
「現在リクルート問題等を契機として、先ほども申し上げましたように国民の間に広がっております政治への不信感、そして政治への信頼を回復することがまず目標であります」(89年2月の衆院本会議)
「国民の信頼」「遺憾」「批判をしっかり受け止める」「信頼回復」……まるで政権が危機に陥った時に使う常套句だ。
ちなみに89年2月末の新聞報道を確認すると、当時の竹下内閣の支持率はいよいよ2割台から19%に急落し、支持をしない理由として「首相を信頼できない」(22.6%)が最も多い──などと報じられていた。
朝日新聞の11月下旬の報道では、岸田内閣の支持率は25%に低下しており、岸田首相について「信頼できない」は67%にも上っていたから、この状況もまたソックリと言っていいだろう。
東京地検特捜は国会閉会後の13日以降、派閥所属の各議員本人から説明を求める方針で、日本中が固唾をのんで展開を見守っている。