2024年1月スタート新NISAの基礎知識「成功する人」と「大失敗する人」ココが分かれ目
どんな商品に投資したらいい?
投資商品選びもポイントのひとつ。これを間違えると大失敗しかねない。
現行(旧)NISAに数十万を投資している50代のサラリーマンは少し悔やんでいるという。
「自動車関連の個別株に投資しています。100株だけですが、含み損を抱えています。NISAは利益が出ないとメリットを享受できません。まあ、配当金が4000円ほどあったので、一般口座だったら800円を税金で取られますから、その分は得したともいえますが……。新NISAはつみたて枠を利用して堅実に投資しようと思っています」
堅実はキーワードだ。投信の利回りの平均は3~10%といわれる。100万円を利回り3%で保有し続けると、20年後はいくらになるか。約181万円だ。30年だと約243万円になる。
元手が300万円の場合、20年後は542万円、30年後は728万円。30年後に428万円増えているが、NISAを利用しなかったら約20%の税金(約85万円)が引かれてしまう。これはもったいない。
■年代別のオススメは?
長期投資を前提にすれば、低リスクの投信で十分に“成功”する。ただ、低リスクといっても年代ごとにリスクの許容範囲は異なる。20代だったら多少のリスクを取って大丈夫だし、60代以降は「資産を減らさない」を第一に考えたい。どんな投信を買えばいいか?
「かなりざっくりですが、一般的には20代だったら、外国株と日本株を半々に組み合わせた商品がオススメ。家族が増えてくる30~40代は外国株と日本株だけでなく、日米の国債などの債券を加え、それぞれ25%ずつで構成するような投信がいいでしょう。60代以降は債券が4分の3近くを占めるような商品が安心です」(倉多慎之助氏)
投信は大きく2つのタイプがある。日経平均や米S&P500といった指数に連動する「インデックス型」と、運用会社が投資商品を選ぶ「アクティブ型」だ。インデックス型は低リスク・低リターン、アクティブ型は高リスク・高リターンと覚えておくといいかもしれない。長期投資に向くのは低リスクのインデックス型だ。
純資産額が1兆5000億円を超す人気の投信「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJアセットマネジメント)は先進国株式(83.5%)、国内株式(5.5%)、新興国株式(10.7%)、その他(0.4%)で構成される。
過去3カ月の騰落率はマイナス4.2%ながら、過去6カ月はプラス9.7%、過去3年はプラス71.5%だ(10月31日時点)。騰落率は、このファンドがベンチマーク(基準)としているMSCI指数(世界株式の代表的な指数)とほぼ連動している。
「eMAXIS Slim全世界株式」など、世界株式に投資するインデックス型だけに投資しておけばOKという“ほったらかし投資”があるほどだから、あれこれ悩むより「コレ1本」と決める運用方法もありだ。
背伸びをせず、中長期でのんびり考える。新NISAで成功する秘訣だ。